雲南の大理は、省都・昆明から約250km、高速鉄道で2時間半ほど。雲南の北西に位置します。
937年から1253年まで白族(チベット系のペー族)による大理国があった場所で、今でも白族が多く暮らす土地です。
街の真ん中には大きな湖・洱海(じかい、Ěrhǎi)が広がっています。
私が行った1月には、渡り鳥のカモメがたくさん来ていました。
洱海沿いに北上し、市場をのぞいてみると…
売る方も、買いに来る方も白族の人がたくさん。
民族衣装が華やかでかわいらしい。
大きなかごをしょっていて、そこに買ったものをどんどん入れていきます。
ビビッドな色遣いが、雲南の青空によく映えます。
みなさん着こなしがこなれていて、日常の服装なんだなあと。
着物もこれくらい普段の日常で着こなしたいものです。
売ってるものもカラフル!
↓こちらは飴の量り売り。固まった飴をたたき割って販売。
地元の野菜や果物、乾物など。売ってるものを見て回るだけで楽しく。
市場の様子はこんな感じ↓
大理は、かつて雲南のプーアルなどからチベットへお茶を運んだ「茶馬古道」の重要な宿場町。
いまでも街のあちこちに、当時の面影が残されています。
そして、白族の伝統のお茶と言えば、「三道茶」(さんどうちゃ)です。
大理の喜洲にある「白家大院」の三道茶のお店にお邪魔しました。
昔ながらの白族の家をそのまま茶館にしていて、広々とした中庭が味わいあります。
三道茶の基本は「烤茶」(焼くお茶)。
炭で焚いた火に、急須や壺をかけ、お茶を煮込む形です。
三道茶は、名前の通り3種類のお茶で、お客様をもてなす白族伝統のお茶のこと。
もともとは大理王国の宮廷の茶法で、周辺国の使節が訪れた時にこの三道茶でもてなしたのが始まりと言われています。それが白族の庶民まで広がり、伝統として残っているとのこと。
3種類のお茶は、それぞれに異なる材料を入れて煮込みます。
メインとなるのは、大理地元の「蒼山茶」。
3種類のお茶は、1杯目が「苦く」(苦)、2杯目が「甘く」(甜)、3杯目が「味わい深い後味」(回味)。
3種類のお茶を順番に飲むと、まるで人生を味わうようだと白族のお姉さんが教えてくれました。
なかなか奥が深いです。
2杯目には、クルミや赤砂糖のほか、大理名物の「乳扇」を削って入れます。
※乳扇(ルーシャン、 rǔshàn)は白族のチーズと紹介されることが多いようですが、ミルク(ヤギのミルクのこともあり)を煮詰めて固めたもののようで、それだけ食べると懐かしいスキムミルクのような味わいだなあと。
2杯目のお茶はスプーンで飲んで(食べて?)、まるでデザート感覚。
3杯目には、生姜や花椒などが入ります。
この複雑な味わい深さが、「回味」(ゆっくりと後味を楽しむ)なんでしょね。
人生を味わいながら、ゆっくりお茶時間。至福の時です。