そして西安から少し足を延ばして、陝西省銅川市にある「耀州窯博物館」に行ってきました。
耀州窯とは?
中国陶磁史において有名な窯場です。
唐から元・明に至るまでの長期間制作が続けられ、皇帝に献上する「官窯」もありました。作風は時代ごとに変化しながらも、黄土高原地帯を中心に広く影響を与えたと言われています。
耀州窯は、陜西省耀県銅川市附近に分布しています。
博物館では制作の様子が再現されていました。
明代以降まで長く続いた窯も一度は途絶え、800年ほど窯業は行われていなかったそうです。それが近代また再開されています。
唐代の作品
初唐に黒釉磁から始まり、盛唐には三彩や素胎黒花をつくり、中唐には青磁が登場します。
↑これぞ唐三彩、ですね。
唐代の特徴ある釉薬として「茶葉末」釉が紹介されていました。
鉄の結晶を使った釉薬で、高温で焼くもの。
少し黄色の入った深い緑色は、茶葉の粉末の色に似ているとのことでこの名前がついたのだとか。
釉薬に茶葉は入っていません。
しぶくていい色です。
↑黒い釉薬を模様に削り(中国語では「剔花」)、白い釉薬を埋めて焼く技。
↑素胎黒花
↑白釉に緑色で模様の書かれた香炉
宋代の作品
宋代に入り、片刃彫りや型押しによって文様をあらわした青磁が登場します。
耀州窯の技がより磨かれ、その技術の高さを今にまで伝えています。
茶托のついた青磁碗。いいですね。
茶托が模様に彫りぬかれていて細工が細かいです。
青磁の彫り(中国語で「刻花」)による模様の入った作品。
型押しにの模様が、型と共に展示されていました。
型の細工が細かい!唐草や波型など、変化にとんだ模様。
(中国語で「印花」と呼ばれる技術)
↑青釉印花竹馬戯紋碗:6面に人物と馬が描かれています。
↑黒釉醤斑紋碗:西安市西大街で出土
金代以降
金代以降は、次第に黄褐色の釉に変化し、作風を変えながら明代以後まで続きます。
↑金代の彫りによる模様。精巧さは宋代には劣るよう。
↑元代の姜黄釉・刻花魚紋碗
↓「白釉黒花」は明代から清代びの主流に。
画風はおおらかで、線はのびのびとしています。
耀州窯博物館:基本情報
入場料無料 外国人はパスポートの持参が必要。
開館時間:09:00~17:00 (入場は16時まで)
月曜日と年末年始は休館
場所:陝西省銅川市王益区黄堡鎮
もう少し勉強してみようかな